パート5:フルーツ ― お茶が自然の甘い声を歌う時
お茶を歌に例えるなら、フルーティーな香りは最も甘美な歌と言えるでしょう。馴染み深く、それでいて驚きも感じさせる香りです。
これは香りの中で最も複雑な層です。特定の時点から生まれるのではなく、摘み取りから乾燥まで、お茶作りの全工程の結晶だからです。
🍃 発酵段階 ― フルーティーな香りが開花し始める段階
茶の芽が摘まれるとすぐに、葉の中で生化学反応が始まります。この時、お茶に含まれる酵素とポリフェノール(抗酸化物質)が空気中の酸素と反応し始め、酸化反応が起こります。
このプロセスは「発酵」(正確には「酸化」)と呼ばれ、これが最初のフルーツの香りを生み出すのです。
– 緑茶(ウーロン茶)のように発酵度が浅い(10~30%)お茶は、オレンジ、桃、洋梨などのフレッシュで上品なフルーツの香りを保ちます。
– 赤茶(ウーロン茶)、東方美人茶、皇家茶のように発酵度を中程度から高め(40~80%)に上げると、プラム、リンゴ、リュウガンなどの熟したフルーツの香りがより強く感じられるようになります。
– 紅茶(100%)のように完全に発酵させたお茶は、甘く豊かで、レーズンやオレンジピールのような重層的なフルーツの香りが広がり、ジャムのような後味も感じられます。
🍃 発酵における緻密さ ― 適切な時期を選び、最適な香りを醸し出す
この工程をコントロールするのは非常に繊細です。茶師は、茶葉の香り、色、柔らかさを頼りに、香りが「緑」から「甘」へと変化する瞬間を「捉える」必要があります。
ほんの少しの手間で、フルーツの香りは、きつい、渋い、または粗い香りに圧倒されてしまいます。ほんの少しの手間で、香りが開花する前に閉じ込められてしまいます。
Tri Vietでは、紅烏龍茶、東方美人、貴妃香といった茶葉の品種をすべて手作業で発酵させ、茶葉本来の自然なリズムに合わせて、フルーティーな香りが自然に広がるようにしています。
🍃 乾燥と精製による香りの凝縮
発酵後、お茶は香りを定着させるために乾燥されます。この工程により、香りが「固定」され、消えるのを防ぎます。
– アールグレイ紅茶などの淹れたてのお茶は、Tri Vietでは徹底した乾燥と浅煎りに加え、乾燥または軽く熟したオレンジピールの香りを加えており、フルーツティーに最適です。
– 深煎りの紅茶は、レーズンやドライアップルの風味が加わり、濃厚で深い味わいになり、ミルクや黒砂糖と混ぜるのに最適です。
🫖 熟したプラム、ピーチオレンジ、レーズンの香りが漂うお茶を一杯飲む時、それを「香り付け」と捉えるのではなく、職人の手によって守られた茶葉の生命と変化の旅そのものを感じ取ってください。
Tri Vietのフルーツティーを味わったことがある方は、想像してみてください。天然フルーツガーデンのどんなフレーバーでしょうか?
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